最初に火をつけた一本を灰皿に押し当てる。
ユウはこの後、どんな予定なんだろと思い、あたしは聞いて見ることにした。
「こ・・・」
「おー!!二人とも初練習かい?お疲れ!!!」
授業を終えた高明くんが喫煙所にきたことで、あたしの言葉はかき消されてしまった。
「おぅ!!」
「そだよ。お疲れ~」
高明くんが火をつけたのを見ると、それに付き合うかのようにあたしもタバコをもう一本取り出すと火をつけた。
「じゃ、俺、先帰るね。」
携帯をパカっと開き時間を見ると、ユウは誰かと待ち合わせしてたかのようにすぐに喫煙所をあとにした。
「お疲れ~。」
一言だけ伝えると、ユウはこっちを向いて、にこっと手を挙げると、またあたしたちに背を向け、歩き出した。
まさに、あたしが最初にドキッとしたあの笑顔だった。