女同士のやりとりが終えるのを見ていたのか、エミに手を振っているとシノブとユウがあたしのところへやってきた。
「あの子も1年生?」
手を振る先を眺めながらシノブがたずねる。
「そだよ。うちらと学部違うみたいだけど。。。」
「ふぅん。そうなんだ。」
「でさぁ、バンド、これからどうする?ボーカルいないし、メンバー探さないと・・・」
まだメンバーが3人だったことに少し不安だったあたしは、他のパートについて2人に相談を持ちかけてみた。
来月末のライブに出たいし、一刻も早くこのバンドを形にしたかった。
「とりあえず、3人でよくない?」
「え・・・あ・・・そだね。」
悩んだ様子もなく、すぐに返事してきたシノブに圧倒されてあたしもシノブの意見に従った。
「まずは、練習時間だよな。れん、授業何とるか大体決めてる?」
「あ、うん。大体は。じゃあ3人があいてる時間、探してみようよ。」
それぞれの予定を見合わせながら、全員が授業のない時間帯を探す。
その結果、水曜日の昼休み後の1時から2時半までの90分が空いていたので、部長に早速申請する事にした。
申請も無事にとおり、水曜日のこの時間はあたしたちの時間になった。
「で、早速あさってから練習始めよう。誰かのコピーからやろうと思うんだけど・・・れんは好きなバンドとかある?」
その質問、待ってましたとばかりにあたしは目を輝かせて、こう答えた。