中で行われているバンドの音が少しだけ漏れて、小さく聞こえてくるのがBGMのように感じた。
とにかく、ユウが元気になってくれれば・・・
思いついたことを次々と口にした。
「・・・ライブ前も言ったけどさ、あたしはユウのドラムが大好きなんだよ?今日みたいに失敗したドラムだって、ユウが叩くドラムには変わりないでしょ。それも含めて大好きなんだから。ユウのドラムがあるから、あたしはキラキラしていられるんだよ。」
言った後に、少し恥ずかしくなった。
「ありがとな。」
ユウは一言だけ返事し、タバコの火を消した。
「前にも約束したけどさ、シノブを見返すのがあたしたちの目標でしょ?」