あたしは、ユウの姿を探す。


客席にもいない。


楽屋にもいない。楽屋にはシノブしかいなかった。


シノブならどこにいるのか知っているのかなと思って、


「ねぇ。ユウ知らない?」


と、聞いてみた。


あたしのほうをチラッと見たが、すぐ目をそらした。


「・・・知らねぇ。客席で、他のバンドでも見てるんじゃないの?」


と答えた。


「そっか。」


客席にいないことは、わかっていた。

それから、シノブがユウの行き先について興味がないこともわかった。


他のバンドの演奏も聞きたかったが、今はユウを探すことのほうが大事・・・!!


あたしは、ライブハウスの外へ出た。