「エミ~。お疲れ~。」
エミはあたしの姿をまだ見つけることが出来ず、キョロキョロしていた。
「こっちこっち。」
と、手を振り、エミを気づかせる。
「いよいよだね。れんのベース、楽しみにしてるよ。」
「緊張してうまく弾けるかわからないけど、頑張る。」
エミを連れて客席に入ると、開園時間が迫っていたのですぐに楽屋に戻った。
シノブとカズヤさん、タクマさんはやはりライブ慣れしているらしく、全く緊張が見られない。
地元の話で盛り上がっていて、ライブ前とは思えない。
その反面、あたしと同じ、初めてのライブであるユウは緊張しているのが見てわかる。
「ユウ?緊張しすぎじゃない?」