「そういえばさ、この前…先々週は二人で練習したんだろ?どうだった?」
ニヤっとしながらあたしとユウの顔を交互に見る。
「まぁ、合わせてみたらわかるんじゃね?」
と言うユウ。
あたしは、シノブの表情からユウへの気持ちを悟られたのかと思い、ドキッとしてしまった。
・・・そういう意味で言ったんじゃない。
バンド練習がどうだったって聞いているんだ。
そう自分に言い聞かせ、ユウの言葉に賛同しているように、何度も首をたてに降った。
部室にはシフトの使用時間中は滅多に人はやってこない。
練習が終わって、次に部室を使うバンドが早めに来た時くらいしかサークルの人達には会わない。
まして、地下の奥地にあるこの部室。
サークルの人以外がここを通ることすら滅多にない。
そんな場所に、バンド練習とはいえ男と女が二人きり・・・。
何かがあってもおかしくないか…と考えていると、顔が耳まで熱くなるのを感じた。