許されない恋でした。到底受け入れられるわけの無い恋でした。

分かっていました。
ええ、分かっていたんです。

だから望みは抱きませんでした。ただこの思いを告げたかったんです。消化したかったんです。言葉にして相手に届いてしまえば決着を付けざるを得ないと考えたのです。


相手が桃の木を大事に育てていることを知っていました。

劣情を抱きながら表ではさも清純ぶった顔をして、友の立場で隣にいました。許されていましたから。ですから色々なことを同じ視線で見聞きしました。

反対に、その立場以外は許されていないと分かっていたのです。


ある日私は、決意をしました。この思いを消化してしまおうと行動に移しました。そろそろ苦しいと思っていたのです。この思いの行き着く先は答えが決まっていました。

分かっていました。それでも波に任せてボトルを運んでもらう、ボトルメッセージのように運命に身を委ねたくなったのです。ええ、自暴自棄になっていたのでしょう。

___その波は海流があるから、決まって特定の場所に流されることに気づいていながら。