『これはあくまで、俺が救われたなって思った時のをマネしてやってるからお前がどうかは知らん。ただ、慣れるよりは楽しい思い出と連結させた方が楽だぜ?』
「楽しい思い出と連結……?」
まさかの発想に、瞬く。
『そう、俺の時はそれが寿司だったの。アンチコメされて萎んでた時に寿司連れてってくれた先輩が、これからはアンチコメ貰う度に今日のこと思い出せって。
コメってさ、明確な悪意がないやつでも傷つくやつあるじゃん?』
「あるね。いつもと変わらないはずなのに何故か調子悪いの?と心配されんのめちゃくちゃ傷ついたりする。」
『そうでしょ?そういう時にも、ああアンチコメ貰ったけど励ましてもらったな、そん時に食いに行った飯、めちゃくちゃ美味かったなって思い出すんだよ。パブロフの犬みたいに瞬時に思い出せるまで鍛えんの。』
「なるほどね、それがお前の処世術なわけだ」
『処世術っていうか……まー…、そうね?そうかな。メンタルなんて最終的には自分が守るもんだからね。活動歴だけは長いからね、教えてもらったことをお前にもしてあげたいと思っとるよ。』
「ああだから今日誘ってくれたってことね?」
『そういうこと。』
「そういえば昔俺がアンチコメについて聞いた時、お前の返答は寿司だったよな笑」
『そりゃもうトレーニングの成果よ。』
「あーー、俺もそこまでのレベルに早く到達しなきゃな。」
『はやくこいよ笑
それで、ご飯のシーンはまた更新してこ。またみんなで飯食いに来よ。』
「おう、なんか照れるわ。お前がそんなに真面目に語ってんの。」
『なんでだよ失礼なやつだな』
目の前の男は初めて見るような柔らかい顔で笑った。
終。