時間も時間ということもあり、
まだ公園は閑散としていて、
私たちはゆっくり話すことから
人目につきにくいベンチを見つけ、
そこに腰掛ける。


「そうだ!飲み物買ってくるから待ってて。
なんでも良い?」

「ありがとう、なんでもいいよ。」

「わかった!」


座ってすぐに悠希くんは立ち上がり、
数メートル先の自販機に
飲み物を買いに行く。

……数分が経過し、
悠希くんはホットココアの缶を
私に差し出す。


「ありがとう。いくらだった?」

「いいよ、これくらい。
今日はわがままに
付き合ってもらってる側なんだからさ。」

「……ありがとう。」


手渡されたホットココアを両手で包む。

じんわりと熱が手のひらに伝わり、
だんだんと手先がポカポカしてくる。

チラッと悠希くんの方を見ると
彼も買ってきたホットカフェオレの缶を
頬に当てたり、手に当てたりとしていた。