「本当は、
まだ言うつもりはなかったんだけど。

俺、ずっと美那穂ちゃんのこと、
気にかけていたこと気づかなかった?」

「う、うん……」

「そっか。俺初めて人を好きになって、
どうしたら良いかわからなくて、困ってた。
不器用なりに、キミのそばでキミに
好意を向けていたつもりだったんだけど、
うまく届いてなかったのかぁ。」


突然の告白に、頭が真っ白になる。

悠希くんが、私のことを好き???
なんで、どうして、どういうこと?という
言葉しか浮かんでこない。


「こんなこと言ってしまえば、
この関係もきっと終わってしまうし、
卒業までの残り数日間は
黙ってようと思ってたんだけどなぁ。

ほら、キミには
好きな人もいるわけだし……。」

「え?」

「でも、俺の勝手なわがままだけど、
聞いて欲しい。せめて、
この関係が終わってしまうくらいなら、
心の内全部キミに伝えたい。
だから、聞いてくれる……?」


悲しげな目をしたまま、彼が口を開いた時。

授業終了を告げる鐘の音が鳴り響く。


「あっという間だね。
そうだ、このまま6限もサボれたりする?」

「それは、いいけど……」

「よかった。
じゃあ俺、荷物とってくるから、
先に裏口門の辺りに行ってて!」

「あ!ちょっと……!」

「最後のわがままだから。許して。」


そう言い残すと
悠希くんは階段を駆け降りて行った。
私は少し時間を置いてから階段を降り、
裏口門へと向かう。