「授業中の教室の外って
こんなに静かなんだね。」


声が響いてしまうことを恐れて
小さな声でヒソヒソと話す。


「そうだね、
なんだか別の世界に
俺たちだけいるみたいでワクワクするね。」

「ワクワクって……
私たち、しちゃいけないことしてるんだよ?
それに、きっと明日怒られる。」

「しちゃいけないってわかってるからこそ、
スリルがあっていいなって思うんだよ。
怒られるのは……
キミが一緒なら怖くないよ。」


そんな風に今の状況を
とても楽しんでいる悠希くんを横目に
私は踊り場にある大きな窓を
ぼーっと眺める。

日差しが差し込んでいて、
心なしか2月の寒い時期なのに暖かく感じる。
いや、日差しじゃなくて
横に悠希くんがいるからかな……?

しばらくの沈黙の後、
悠希くんが口を開いた。