「わっ!?」


勢いよく立ち上がってしまったせいで、
ガタンと音を立てて椅子が倒れる。

大きな音を立ててしまったせいで、
教室にいた人からの視線が私に集まる。


「ちょっと用事が!!」


私は椅子を元の位置に戻すと、
そう言いながら
机の右側に置いていたカバンを持って
教室を飛び出た。


「え?!み、美那穂ちゃん?!待って!!」


背中から私を呼び止める声が
聞こえたけれど、
走り出した足は止めることができずに
廊下を駆け抜ける。