「大丈夫よ!」

「そう?なら良いけど……。そう、それでね!東條さんのこと、ちゃんと知りたいなって思って……連絡先、ゲットしたんだ!」

「……っ!でかした!さっすが芹香!」


 芹香の手を取りながら、清香は満面の笑みを浮かべた。


「それでね、早速メールを送ってみようって思ってるんだけど、なんて書こうか迷っちゃって」


 なるほど、先ほどからソワソワしていたのはそれが原因らしい。清香は小さく微笑みながら指を立てた。


「そうねぇ。まずは、私が元気になったことのお礼でしょう?それに、高校のこととか、お互いの趣味とか…………そういったことから会話を始めてみたら良いんじゃない?」

「そっか……そうね、まずはお礼からよね。……分かった!送ってみる」


 ニコリと笑いながら、芹香はスマートフォンをギュっと抱きしめた。本人は気づいていないようだが、その表情は明らかに恋する乙女のそれである。
 清香はそんな芹香を見ながら、ウットリと目を細めたのだった。