「随分お若いのですね。家人と言うからには、もう少しお年を召した方がいらっしゃるかと思ってました」
清香が徐に会話を切り出す。すると男は軽く目を瞑り、腕組みをした。
「寧ろ年を取った方だ。主には俺が16才の頃に拾ってもらった……今年で十年になる」
「…………そうなんですね」
なるほど意外な事だった。前世では良いところのボンボンだったこの男も、現世では色々と苦労しているらしい。清香は心の中で小さく唸った。
「それにしても、6才の東條さん……さぞや可愛かったんでしょうね」
それは、心に浮かんだことを何となく口にしてみただけだった。けれど男は、突然清香の手を取ると、興奮したように身を乗り出した。
「それはもう!天使か!いや、神の化身かと見まごうほどに、可愛らしく、そして美しかった‼初めてお姿を拝見した時、俺は我が目を疑ったぞ‼」
男は鼻息も荒く頬を染めながら、一気にそう捲し立てた。
(あぁ……やっぱり変わっていない)
心の中で独り言ちながら、清香が小さく笑った。
前世と変わらず、この男は東條命。東條のこととなると人が変わるらしい。
恐らくは、現代では浮きまくるこの服装も、東條が褒めてくれただとか、東條が気に入っているだとか、東條が指示したからだとか、そういった理由からに違いない。そんなことを清香は思った。
清香が徐に会話を切り出す。すると男は軽く目を瞑り、腕組みをした。
「寧ろ年を取った方だ。主には俺が16才の頃に拾ってもらった……今年で十年になる」
「…………そうなんですね」
なるほど意外な事だった。前世では良いところのボンボンだったこの男も、現世では色々と苦労しているらしい。清香は心の中で小さく唸った。
「それにしても、6才の東條さん……さぞや可愛かったんでしょうね」
それは、心に浮かんだことを何となく口にしてみただけだった。けれど男は、突然清香の手を取ると、興奮したように身を乗り出した。
「それはもう!天使か!いや、神の化身かと見まごうほどに、可愛らしく、そして美しかった‼初めてお姿を拝見した時、俺は我が目を疑ったぞ‼」
男は鼻息も荒く頬を染めながら、一気にそう捲し立てた。
(あぁ……やっぱり変わっていない)
心の中で独り言ちながら、清香が小さく笑った。
前世と変わらず、この男は東條命。東條のこととなると人が変わるらしい。
恐らくは、現代では浮きまくるこの服装も、東條が褒めてくれただとか、東條が気に入っているだとか、東條が指示したからだとか、そういった理由からに違いない。そんなことを清香は思った。