ドキドキが止まらないし、ちゃんと私のことを見てくれる。


それが嬉しくて私は顔を柚琉に向ける。



「……可愛すぎ」


「っ、!」



ぼそっと囁かれたその言葉に思いっきり反応する。自分が可愛くないことくらいよく知っている。だけどこれはずるいよ……。



「聖奈……好きだ。愛してる」


「わ、私も……柚琉が、大好き!」



笑ってそう言った。そしてまた柚琉な顔が近づいてくる。私はそっと目を閉じて、待っていると……。


ーコンコン。



「兄さんー!聖奈ちゃんのことあんまり虐めないでよ!」



ドアのノック音が聞こえてきてビクッとする。


ドアの外から柚月の声が聞こえた。



「ち。勘のいいヤツめ。後で絞め殺してやる」


「ちょちょちょ、それはダメ!」



邪魔されてイライラしているのかポキポキッと手を鳴らしている。目が本気モードで全然冗談に聞こえないんですけど!



「……はぁ。今日はここまでだな。また今度までお預け」