「僕は後で行くから!ほら、行った行った!」


「おい、柚月!」



ーバタン。


無理やり部屋から追い出すとドアを勢いよく閉める。私は何が起こったのか分からなくて目をぱちくりとさせるだけ。



「ゆ、柚月?」



柚琉がいないくて心細い……と思ってることは口が裂けても言えないけど、今柚月と2人きりになると変なことを口走りそう。



「聖奈ちゃん、良かったー。元気になったみたいだね」


「柚月!?どうしたの?」



柚月はくるっと後ろを振り向くと私のとこに近づいてきて抱きしめてくる。


柚琉と同じような体格で、同じようなぬくもり。なのに柚月が抱きしめてきた時は何も思わなかった。


もちろん、嬉しいとかはあるけど柚琉みたいにドキドキはしない。一体、なんでだろう。



「ねぇ聖奈ちゃん。今、僕にドキドキしてる?」


「へ?な、何、急に……」



抱きしめられていると急に顔を上げて不思議な質問をしてきた。