「さあ着いたぞ」
「ここですか?」
「ああ」
約束をした土曜日。
午前中は仕事だったという創介さんと昼過ぎに待ち合わせをして、途中寄り道をしながら郊外へ。
二時間ほど車を走らせてやって来た緑豊かな場所。
「すごーい」
案内されて建物に入った瞬間、無意識のうちに声がこぼれた。
木々に囲まれた中に立つ木造の建物。
決して和風の建築でもなく、洋風でもなく、たとえるなら大正ロマンな感じだろうか。
重厚で、それでいてモダンで、一見新しい建物に見えるのに、どこか懐かしさを感じさせるそんな場所だった。
「ここは、この秋オープンするうちの新しいホテルだ」
「へえー、素敵ですね」
館内の照明はランプを思わせるオレンジ色で統一され、床も壁も無垢材でピカピカに磨き上げられているし、広いホールの中央には大きなストーブが炎を揺らしている。
「望愛、行こう」
「はい」
目に飛び込んでくるものすべてが素敵で、ついつい足が止まってしまう私は前を行く創介さんに何度も呼ばれてしまった。
「ここですか?」
「ああ」
約束をした土曜日。
午前中は仕事だったという創介さんと昼過ぎに待ち合わせをして、途中寄り道をしながら郊外へ。
二時間ほど車を走らせてやって来た緑豊かな場所。
「すごーい」
案内されて建物に入った瞬間、無意識のうちに声がこぼれた。
木々に囲まれた中に立つ木造の建物。
決して和風の建築でもなく、洋風でもなく、たとえるなら大正ロマンな感じだろうか。
重厚で、それでいてモダンで、一見新しい建物に見えるのに、どこか懐かしさを感じさせるそんな場所だった。
「ここは、この秋オープンするうちの新しいホテルだ」
「へえー、素敵ですね」
館内の照明はランプを思わせるオレンジ色で統一され、床も壁も無垢材でピカピカに磨き上げられているし、広いホールの中央には大きなストーブが炎を揺らしている。
「望愛、行こう」
「はい」
目に飛び込んでくるものすべてが素敵で、ついつい足が止まってしまう私は前を行く創介さんに何度も呼ばれてしまった。