「お付き合いされている方と言う理解でよろしいのでしょうか?」
「どちらのご令嬢ですか?」
「お二人並ばれたところで、一枚お願いします」

一瞬で周囲が明るくなり、フラッシュの嵐。
それ以上創介さんが答えることは無くすぐに警備が入ってくれたけれど、会場は騒然とした。

「どうしてあんなことを?」

人ごみの中からやっと抜け出してから、私は創介さんを睨んでしまった。

「事実だろ?」
「それは、そうですが・・・」
だからと言ってわざわざ言う必要はないと思う。
おかげで大騒ぎになってしまった。

「望愛は俺のだって、主張しておきたかったんだよ」
「そんな・・・」
唇を尖らせてすねては見たけれど、そう悪い気分ではない。

「なあ望愛、今日のパーティーが終わったら手持ちの案件もひと段落するんだ。だから、今度の週末に食事に行こう」
「ええ、いいですね」

行こう行こうと言いながら、仕事が忙しくて行けてなかった二人での食事が今度こそ実現しそうで、私の声も明るくなった。

「それに話もあるんだ」
「話ですか?」
「うん」

一体なんだろうと思ったけれど、創介さんはそれ以上話してくれる様子がなくて、仕方なく私は当日を待つことにした。