恋愛アプリゲーム?


「ねえ」

 ワクワクが止まらない!

「私、手伝えるかもしんない」
「は?」
「私、今、三度の(めし)より恋愛アプリゲームが好きだから! どんなキャラなの!? 王子系? やんちゃ系? それともかわいい系!? 大体のキャラならやりこんでるから、意見とか言えると思うよ!」

 そう高らかに宣言すると、河村は一瞬ぽかんとした顔になる。そのまま体をくの字に折って笑い始めた。

「……っく、はは、お前、すげえな」
「笑うことなくない!?」
「悪い、熱量が……。いや」

 河村はまだ(くちびる)に笑いを残したままこう言った。

「ごめん、そうだな、俺はお前みたいにゲームが好きな人に楽しんでもらいたくて、オーディション受けるんだ。笑ったりしたらバチが当たるな」
「なんか、急に真面目じゃん」
「最初から真面目だっつの。……じゃ、悪いけど、意見聞いてもいいか?」

 もちろんですとも!

 河村が見せたスマホには、細かなメモが書いてあった。
 そっか、キャラビジュアルとかは見せちゃいけないんだろうな。

「えっと、ちょっと影があって、真面目で、主人公のことを好きになっちゃいけないと思っている。でも本当は激情家(げきじょうか)で……」
 あれ、このキャラクターの感じ、もしかして。
 私の今の推し、ユージーンとおんなじタイプなんじゃない!?

「わかるか?」

 心配そうに声を挙げる河村に、私は自信満々で頷いた。

「任せて!」
「じゃあ、さっそく」