え、なに、これ、公開告白!?
 私は思わず周りを見渡した。でも、誰もいない。グラウンドには河村だけだ。
 河村は頭をかき、スマホを耳に当ててしかめっ面をする。舌打ちをしてもう一度。


「だから、俺はお前が……好きだって言ってるだろ!」


 うそ、まじで……?
 さっきと全然声が違う。
 ……ううん、声は一緒なんだ。でも、その空気というか、声の持ち主は確かに河村なのに、まるで別人のような雰囲気に聞こえたんだ。

 私は心底驚いたものだから、自分の手からカバンが落ちたことにも気づかなかった。
 ドサッと小さくはない音がして、河村がハッとこちらを見た。