少しずつ、陽が落ちてきた。
 金色の太陽の光が、ゆっくりグラウンドを染めていく。
 私は河村の声に(おぼ)れながら、まるで自分がアニメや映画の主人公になったみたいな気分になった。

 いったい何度目のトライだろう。河村はカバンから取り出したペットボトルの水を飲み干し、手の甲で唇を(ぬぐ)った。
 真剣な目で私を見つめる。
 ひと呼吸。
 私も思わずごくりと喉を鳴らす。



「だから俺は! お前が……好きだって、言ってるだろ……!」



 体中の血が湧き上がるみたいな感覚に、私は思わず口を押えた。
 信じられない。胸がどきどきして、のどがカラカラに干上がって、今にも叫び出したいくらい。

「……やば」

 思わず声に出る。河村は不安そうに、でもまっすぐ私を見ている。
 その視線がなんだかとても恥ずかしくて、思わずうつむいた。