「…っ!漣!!」

水筒はみあには当たらず、咄嗟にみあをかばった漣の背中に直撃した。

「僕自身に何かするならともかく、大事な妹に手を出すとか…死にたいの?」

「…ヒッ」

女の子は途端に青ざめて、腰を抜かしたのかそのままペタンと座り込んでしまった。

「漣、みあ…っ。漣、背中はっ!?」

母さんが慌ててふたりを抱きしめるも、

「平気。あんなの痛くも痒くもないね。な?みあ」

「んっ!」

ふたりがあまりにも晴々した表情をしているものだから、大人の方が呆気にとられてしまった。

___その後、女の子達の親が騒ぎの理由を知り謝罪してきたが、こちらもこちらで先に手を上げてしまったので誤った。

口先では謝罪を口にした母さんだったが、家に帰るなりふたりのことをとても褒めた。

満足げなみあを抱きしめながら漣は母さんに、

「…母さん。僕、決めたよ」

「なぁに?」