「にーちゃのこと!いぢめ、ゆるちゃない!!にーちゃのこと、みあ、だいちゅき!!」

たった2歳の子が、兄を、兄の心を守ったのだ。

漣たちよりもずっと小さな体で、兄を背にかばって。

「…っ!」

漣は、これでもかというようにそのクリクリの目を見開いた。

すると泣いていた女の子のひとりが、持っていた水筒をみあ目掛けてブン…っと投げた。

「みあっ!!」

母さんの叫びと、ゴッという鈍い音がしたのはほぼ同時だった。