「ええぇぇぇ、両想いって…。だってみあちゃんグループデートしたじゃんよ」
「フフフ。そこで俺の存在のデカさに気付いたらしいんだよなぁ。みあ、ハッキリ言ったんだぜ?俺のことが好きだって」
「マジかよ…」
「マジだから。昨晩だってみあの方から俺に抱きついてきて寝たし。お陰で俺は幸せを噛みしめながらこうして今日も寝不足ってワケ」
さっきからニヤニヤヘラヘラが止まらない。
仕方ないんだ。だって16年間の片想いがようやく実ったんだから。
今日ばかりは不真面目な態度をとってしまっても許してほしい。
「それにしてもいくら将来の安泰の為とはいえ、よくそんな状態で大学来たな。みあちゃんとの両想い記念とかいって講義すっぽかしてデートにでも行くかと思った」
「行くよ?」
「行くんかーい」
「しかも今日みあ大学に来るし」
「はっ?なんでわざわざ」
「見せつけてぇの。こんな可愛い子が俺の彼女なんだって」
「…気持ちは解らんでもないが、妹だってバレたらどうするんだよ」
「そん時はそん時で考えがあるから大丈夫」
俺の意味深な笑みに賢太郎が首を傾げたところで講義が終わった。