side.REN
「おぉぉぉはよぉぉ〜ッスぅぅぅ」
「うわっ!なにお前、ゾンビみたいな顔しているぞ!?」
「天国と地獄とはこのことだねぇぇぇ…」
例によって必須講義を受けるためにヨレヨレの体で大学に来て、ちょうど賢太郎もいたので隣に座り、そのまま力尽きて溶けた。
「なんだよ、天国と地獄って、」
怪訝(けげん)な表情で聞いてくるものだから、そんな賢太郎に泡を吐(ふ)かせてやろうとニシシと笑いながら、
「俺、とうとうやった」
溶けながらVサイン。
「え?やった?お前…まさか、みあちゃんと、ヤッ…いてっ!」
俺の「やった」発言をいやらしい意味に解釈した賢太郎に、鉄槌(てっつい)を下す。
「やめろ、穢(けが)らわしい」
「じゃあなんなんだよっ」
「喜べ賢太郎っ!今度の今度こそ正真正銘みあと両想いだっ!」
バーンっと胸を張って声高らかに言えば、
「そこの二人、うるさいぞっ!」
教授の目についてしまった。
俺達は軽く「すんません」と謝ると、小声で話を続けた。