むしろ、志穂ちゃんからは漣とのこと応援されちゃっただなんて、とっても言いづらい。

「みあ」

「きゃっ、」

言い淀(よど)んでいるわたしを漣は、いとも簡単に組み敷いてきた。

「れんっ」

「言わないと、キスするぞ」

「…」

「みあ、」

「…じゃあ、言わない…」

「っ!」

真っ直ぐ見据えたわたしの双眸(そうぼう)に映った漣は一瞬動揺を見せたが、次にはもう兄ではなく男の目でわたしを捕らえていた。

瞬きさえ忘れたわたし達は互いを見つめ、そしてゆっくりとその目を閉じ、想いを確かめ合うかのように何度も唇を重ねた。

正直、この勢いでその先にも発展していいと思ったけれど、そこは大人の余裕を持つ漣が

「この先に進むのは、もう少し先な?」

と、額にキスして制してきた。

「、もうこんな時間か。そろそろ寝るか?」

目をこすり始めたわたしに気付いた漣が苦笑する。

「ん、」

「じゃあ俺は今晩だけ床で寝る…、」

「やっ!」