愛の言葉を囁き、ひしと抱き合う兄妹と、
顔面強打で瀕死の莉玖くん。
周囲はざわつき、駆け付けた志穂ちゃんとスバルくんはその状況に絶句したのは言うまでもなかった。
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「___うん、うん。本当にごめんね。莉玖くんには後でちゃんと謝る。…うん、ありがとう。スバルくんにもよろしくね。じゃあ、また連絡させてね」
通話を終え、ふぅと小さく息を吐く。
「みあ」
「っ、」
漣の声に反応して俯いていた顔をパッと上げる。
漣はベッドの端に腰掛け、心配気にわたしを見て自分の所へ来るようにとちょいちょい手招きをする。
『堕ちた』わたしにはもう、抗う術はない。
ユラユラとまるで操られているかのように漣の元へ行くとそのまま向き合う形でベッドに倒れ込んだ。
漣はわたしの頬を愛おしそうに撫でながら、
「…あいつら、なんか言ってたか?」
わたしが何か悪いことを言われたんじゃないかと心配そうに聞いてきた。
「…ううん、なにも。…何もっていうか、むしろ、」
「むしろ?」
「…」