トイレの個室に入るとすぐにスマホの電源を入れて、漣からの通知が107件来ているメッセージアプリを開くと、漣のメッセージも読まずに無我夢中でメッセージを送る。

『漣、今どこ?大学?家?』

『逢いたい』

『今すぐに逢いたい!』

『お願いっ!』

1分待っても既読がつかない。

いつもは30秒以内に既読がつくのに。

どうして…。

わたしはそれでもメッセージを送り続けた。

『賢太郎くんから今日の事聞いたよね?』

『嫌いになった?もうわたしの事なんてどうでもよくなった?』

『最低だよね、わたし』

『でもね、気付いたの。わたし、わたしね、漣のことが』

ここまで打ってハッとする。

勢いに任せてわたしはいったい何を…。

相変わらず既読がつかないメッセージ。

どんどん冷静さを取り戻していくと同時に、恥ずかしさと、もう少しで取り返しのつかない言葉を文字として残すところだった焦りで顔色が赤くなって青くなった。

バカだ、わたし…。

スマホをポケットに戻してトイレを出ると、そこにはひとつの人影が__。

「あ…、」

そこにいたのは、