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「皆さん、入学おめでとう。ようこそ我が校へーーー」
わたしはいま、新入生のひとりとしてパイプ椅子に腰掛けながら校長先生の話を聞いている。
ーーーが。
全然話が頭に入ってこない。っていうかそれどころじゃない。
チラリと後ろを振り返ると、色んな意味てわ周りからの視線を独り占めしている兄が。
当の本人は周りの視線なんて何も気にせずにウトウトと半分夢の中にいる。
その様をジーッと見ていると、まるでわたしの視線に気付いたかのようにパッと顔を上げたものだからビックリしてわたしは慌てて姿勢を前に戻した。
「…」
何となく背後から視線を感じたが、わたしはそれを無視して校長先生の話を熱心に聞く……フリをした。