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「ん〜、こんな感じで大丈夫かなぁ」

真新しい制服を着たわたしは、かれこれ30分姿鏡と睨めっこしている。

「み〜あ。そのスカート丈、ちょっと短過ぎじゃねぇ？」

「ええ？そうかなぁ。そうでもないよ」

「いーや、短い。規定は膝丈だろ。太もも見えてるから」

「生活指導の先生かっ！これぐらいが丁度いいのっ」

残暑が厳しい９月。今日は新しく通う事になった通信制高校の入学式なのだ。

わたしは人よりも身体が弱く、一度全日制の高校を受験したものの、試験会場で倒れてしまい、入学は諦めた。

それで、年に数回学校に行けばいい通信制の高校に進路を変えたのだ。

「痴漢にでもあったら危険だろっ」

「あわないよ」

「なんでそう言い切れるんだ」

「お兄ちゃんが行きも帰りも車で送迎してくれるからでしょーっ！」

「俺が痴漢になったらどうするんだよっ」

「妹に痴漢すなっ！！」