すると美咲は涙をこらえて話し出した。


「あたし知ってるねん…智…あたしが仕事行った後…あたしの店来ぇへん時…お客さんと会ってるのん…。でも今まで見て見ぬフリしてきてた。あたしは智が嫌がるからどんな誘いも断ってた…。」

「それは…」


"ただの同伴やから。オーナーって言う立場上…"

言い掛けたのを飲み込んだ。

そんなんただの言い訳やん。美咲は同伴なんか殆どナシでナンバー入りしてんやし。


俯く俺に美咲が続けた。


「智はいつも優しくしてくれる…でも…それはあたしに対してだけじゃない…」


…は?…


それって……。