私たちは理科室のものを片付けながら、大輝と恭一郎さんを待った。岩崎先生が私たちの様子を見にやってきたときは、なんとなく隼人の様子が気になった。隼人は中学のとき、年上の女性に憧れるって言っていた気がする。もしかして、告白したのは岩崎先生だったりする?いや、何で私が隼人のことを気にしなきゃいけないのよ。私は本を本棚にしまいながら頭をぶんぶん横に振った。

「そんなに動いたらあぶねーだろ?本、落ちてくるぞ」

ハッと気づいたら、上の段にある本が飛び出さないように隼人が私の後ろから押さえてくれていた。光くんとルカは準備室にいる。隼人の甘い匂いがわかるほどの距離。私の周りの空気が揺れる。