「いいんじゃないの?友達になるきっかけなんて、なんだってさ。要は、そいつがいい奴なら磁石みたいに必ずくっつく運命ってこと」

大輝が、ぽかんと立ち尽くす私の肩をポンと叩いて笑った。

「大輝、その本貸して。茜ちゃんは座ってて。先生、ありがとう。鍵はちゃんと閉めて返します」

「黄翅くんの頼みじゃしょうがないわ。戸締まりよろしくね」

先生が理科室を出ていった後、光くんは茶色の木箱を開けて、中からとっても高そうな顕微鏡を取り出した。

「大輝、これとこれ、あの引き出しの中にあるか見てみて」

光くんはプレパラートを作る準備をしながら、大輝の持っていた本のページを開いて指差している。