進路指導室の中から、先生の機嫌のいい声が聞こえてくる。

「いやあ、星三條病院の院長先生が直々に検査してくれるなんて。予約は数年先まで埋まっていると聞いたぞ」

「腰が痛いとおっしゃる先生のために、私から父に頼んでおきました。父も神代学園の優秀な先生のお身体のことを気にかけておりますから。これは、優秀な先生だから特別なので、他の先生には内緒でお願いします」

「ああ、もちろん」

そこまで聞いて、私が即刻解放された事情を理解した。ありがとう、恭一郎さん。