しばらくすると、遠くから先生と恭一郎さんの声が聞こえてきた。だんだん近づいてきて、生活指導室の前で止まり、ドアが開いて先生の姿が見えた。

「深山、今日は帰っていい」

「えっ?あ、はい。し、失礼します…」

私が生活指導室を出ると、入れ替わりに恭一郎さんが入ってきた。すれ違いざまに目が合うと、恭一郎さんはニコッと笑って頷いた。

ま か せ て

口パクでそう言ってくれたのが分かって、私も小さく頷いた。そして私は無事に解放された。