そんな想いを表に出さないように心の中で噛み締めていると。

「あ、そういえば他のメンバーは…」

そう言って、キョロキョロと教室内を見渡す景くん。

しかし、元々私が一番乗りだった教室内に私達以外の人の姿があるはずもなく…。

「えっと…まだ他のメンバーさん来てなくて…私も時間を間違えたのか心配してたんですけど…」

苦笑い気味にそう答える私に対して、目の前に佇む景くんの表情がどんどん険しくなっていった。

そして、サッと慌てて制服のポケットからスマホを取り出し、どこかに電話をかけだす。

「…ったく、アイツら本当に時間守んなくて俺も困ってて…瑛茉ちゃんゴメンね!すぐ連絡して来るように言うから…!」

どうやら、メンバーに電話を入れてくれているようだ。

リーダーがまともな人で良かったと、安堵する反面。

うーん…今の状況を考えるとこのグループかなり見直すことが多そうね…。

と、初日から頭を悩ませる展開に小さく肩を落とす。