不思議に思いつつ、ゆっくりとポケットからスマホを取り出した私はメッセージの相手を確認する。

画面をスライドさせると。

【さっき八代先輩が連絡くれたアイドル大運動会、俺も出るから…スケジュール変更よろしくお願いします 翔兎】

そんなメッセージが目に飛び込んできて、思わずクスッと笑みがこぼれた。

翔兎くん…私に直接返信してくれたんだ。


実を言うと、あの時…景くんが連絡しようかと言ってくれた時…自分から翔兎くんへメッセージを送るかほんの少し迷ったんだよね…。

翔兎くんには翔兎くんなりの考えがあるだろうし、突然マネージャーになったばかりのぽっと出が、ズカズカ入り込むのもどうかと思ってしまったから。

でも、連絡してよかった。

こんな些細な出来事でも私にとっては1番の励みになる。

やっぱり、推しのマネージャーするのって最高ね!

カチッ。

ケトルから湯気が立ち上り、お湯が湧いたことを告げるスイッチ音が聞こえた。

ココアの粉は既にいれてある。

私はそのままケトルを手に取り、お気に入りのマグカップに、ゆっくりと熱々のお湯を注いだ。