そんなことを考えつつ、玲央さん達にどう声をかけようか俺がソワソワしていると。
「…ん?あ、春野くんじゃん…!現場で会うの久しぶり」
先に俺の存在に気づいてくれた玲央さんが気さくに声をかけてくれて、俺はホッと胸を撫で下ろした。
「玲央さん、お久しぶりです…!俺、挨拶に来たんですけどマネージャーさんと話をされてたから、声かけるタイミング逃してしまって…」
「気にしないでいいのに、普通に声かけてよ。なぁ、紗夜」
「えぇ、もちろん。えっと…」
玲央さんの声かけに相槌を打ちつつ、俺をジッと見つめる花木先輩。
そうだ、先輩とは話したことないんだった。
花木先輩と初対面なことを思い出し、
「あ、すみません。花ヶ崎学園アイドル科2年の春野翔兎です」
と、挨拶を交わす。
「あぁ、玲央の後輩くんか。はじめまして。花木紗夜です。よろしくね!」