おそるおそるスマホの画面を確認すると、そこに表示されていたのは、SAISONメンバー冬川有羽の名前。
よかった、有羽からか…。
そう安堵したのもつかの間、有羽からのメッセージ内容を確認した俺は目を見張る。
【翔兎、瑛茉ちゃんなかなか面白い子だぞ。そろそろ素直になってもいいんじゃね？】
そんなメッセージと共に、ニカッと笑顔の…お世辞にも可愛いとは言えない猫のスタンプがそえられていて。
「…は？なんだよ、これ」
正直、イラッとしてしまった。
冬川有羽は、SAISONメンバーの中で唯一の同い年。マイペースな有羽と真面目な俺。性格は正反対な俺達だが、行動を共にすることが多くてわりと仲も良い。
だからこそ、有羽の好みは把握していてたつもりだったけど…。
「有羽が…八代瑛茉を気に入ったってことか？」
ああいう真面目な子は有羽苦手だと思ってたんだけどな。
