「えっと…ありがとう?でも、瑛茉ちゃん急に…どうしたの?」

真剣な表情で高らかに言ってのける彼女にお礼をのべつつ、恐る恐る問いかける。

すると。

「いいですか!?SAISONは、1人でも欠けてたらダメなんです。翔兎くんも、心雨くんも、景くんも…有羽くんも!4人がいたから私はSAISONを好きになったし…推しの皆さんを支えたくてSAISONのマネージャー希望したんですから!少なくとも私はSAISONの魅力に惹かれてます!そこのところは覚えといてください」

力説しすぎて疲れたのか、途中からハァハァと肩で息をする瑛茉ちゃんをポカンとした表情で見つめる俺。

…え、何?瑛茉ちゃん俺等のファンってこと?推しを支えるためにマネージャーって…ハハッ、面白すぎでしょ。

ククッと口元を抑え、俺はどうにか笑いを堪えた。

いや、参った。

こりゃ、心雨が気に入るのも…景くんが惚れちゃうのもわかるなぁ。

「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか…」

恥ずかしそうに顔を伏せる彼女に気づかれないよう俺はスマホを開き、あるメンバーにメッセージを送信する。

…ったく、アイツも意地張らずに任せちゃえばいいのに。

そんなことを考えつつ、俺は目の前の瑛茉ちゃんを見つめ、クスリと笑みをこぼしたのだった。