「あとこうも言ってました…有羽はもっと自信を持てば、今よりずっと注目されるのにって」
…自信。
璃人がそんなことを感じているのは正直、意外だった。
確かに俺は、アイドルなんて目立つ世界にいるくせに自分に自信がない。
昔から璃人と比較されてきたこともあってか、自己肯定感は低い方だし、性格的にも人に何でも譲ってしまう質で、自分が目立とうっていう意欲は薄い方。
「自信…ね。璃人がそんな風に思ってるなんて知らなかったな。でも、人間、根っこの部分を変えるのって難しいんだよ。実は…俺、昔から璃人と比べられてきて…まぁそれなりに悔しい思いもしてきてさ。花ヶ崎に入学したのも璃人に勝ちたいって思いだったんだけど…現実そう甘くないね」
片や人気絶頂のトップアイドル、片や個人ランキング68位…その差は歴然だもんな。
そこまで語り、俺がフッと自嘲的な笑みを浮かべた。
その時。
「有羽くん!私…SAISONめちゃくちゃ大好きなんです!!」
今まで黙って俺の話を聞いていた瑛茉ちゃんが、突如、大きな声でそんな宣言をし始めたのだ。