軽い口調でそう言うと、俺は瑛茉ちゃんに向かってニコッと優しい笑顔を浮かべる。


―――…


…昔から、璃人と比べられていた。


『璃人くんは本当に顔が整ってるわ〜芸能人みたいよね』

『ほんとね…!それに璃人くん子役もしてるんでしょう?今度、舞台で主役をするって聞いたわよ?すごいわよね!』

親戚の集まりでも常に話題の中心は1歳年上よ従兄弟、璃人。

昔から子役として活躍していたアイツは、一際輝いていて。

『それに比べて有羽くんは…』

『綺麗な顔はしてるけど、全然笑わないし…愛嬌はないわよね』

反対に昔の俺は目立つことが苦手で、璃人の影に隠れて生きてきた。

…別に周りがどう言おうとそんなのどうでもいいや。

そんなことを考えつつも、俺は心のどこかで諦めていたんだと思う。

周りが評価するように…自分自身、俺は璃人より劣っていると。