けど、やっぱり推しのための勉強は中学時代の受験勉強に比べれば、むしろ楽しいくらい。
毎日、学ぶ座学の内容は興味深いものばかりだった。
なるほど…スケジュール管理を円滑にするにはそうすればいいのね!
グループの場合と個人の場合でも全然管理方法が違うのか…。
乾いたスポンジが水を吸い込むように、マネージャーに関する知識を習得していく日々。
この知識をいつか、推しのために…!
そんな思いを胸に秘め、黙々と勉強に取り組んだ。
そして、1年生が終わる頃には。
『ほら、あの子が首席の八代さんだよ…ガリ勉の』
『毎日机にかじりつくように勉強してるものね…今時あんな牛乳瓶の底みたいな黒縁メガネってあるんだ』
ガリ勉というあだ名がついてしまうほど。
ちなみに見た目に関してだが、中学時代からの度重なる勉強で視力が落ちてしまいかなり度の強い眼鏡を欠けていた私。
一時期、コンタクトも考えたのだが、とりあえず2年生を首席で進級するまではつけ外しが楽な眼鏡でいいやとそのままにしていた。
私の見た目がどうかなんか今はどうでもいいの。2年生で首席を取らなければ今までの苦労が水の泡なんだから…!
いくら陰口を叩かれようがケロッとしている私にマネージャー科のクラスメイト達も途中からは何も言わなくなり…。
そして、ついに2年生の学期を終了した今年の3月。
私は晴れて2年生の首席。つまり、推しのマネージャーになる権利を手に入れたというわけ。