だって、先日まで険悪ムードだった瑛茉ちゃんと心雨がそんな会話を繰り広げていたから驚くなという方が難しい。

つか、瑛茉ちゃんのこといつの間にか先輩呼びしてるし…。一体、二人に何があったんだろ…。

俺はポカンとした表情で教室の入口で立ち尽くしていた。

すると。

「あ!景くん、お疲れ様〜。瑛茉先輩がさー、僕にバラエティ勧めてくるんだよ。どう思う?」

いち早く俺の存在に気づいた心雨がぶんぶんと大きく手を振り、そう声をかけてくる。

「…え?あぁ…いいんじゃね?心雨って案外器用だし。バラエティとかも向いてると思うけど」

教室内に足を踏み入れ、2人が座る近くの椅子に座りながら答えた。

「景くんもそう言うなら…」と、考え込む様子の心雨を横目に俺はコソッと瑛茉ちゃんに向かって。

「心雨とどうやって仲良くなったの?」

と、尋ねてみる。

一瞬、キョトンとした表情で俺を見つめる彼女。

その澄んだ瞳にジッと見つめられると少しだけ緊張してしまう。