嘘だろ。璃人さんのグループって言えば今年の3月にあった合同ライブ1位のところじゃん。

衝撃的な事実に僕は開いた口が塞がらない。

「えっと、心雨くんだっけ?正直キミの所属グループのことは知らんけど…瑛茉のお眼鏡に叶ったってことはきっと良いグループなんだろうな。瑛茉って超見る目あるから、大事にしなね?俺たちも去年めっちゃ助けられたし」

そう言って、クシャクシャと彼女の髪を撫でる璃人さんの目はとても優しい。

「ちょっと、璃人くんせっかく髪の毛綺麗にしてきたのに…!」

嫌がってその手を払うのに必死な瑛茉は、おそらく気づいていないだろうが…。

「…いい、璃人くん?SAISONは私が絶対人気グループにしてみせる!来年には璃人くんのグループ追い抜くつもりだからね」

「へぇ。そりゃ楽しみ。せいぜい頑張れよ?つか、そっちに愛想つかしたらいつでもこっちに戻ってこいよ?玲央も嘆いてたからな。瑛茉がマネージャー辞めちゃって」