「確かに瑛茉ちゃんの言う通り、俺達、キャラはそれぞれ違うしそこはSAISONの魅力だと思うけど…来年の3月の合同ライブでトップって目標はあまりにも高すぎるっていうか…俺達まだまだ新人だし、知名度考えてもなぁ」
景くんがうーんと、考えるように呟いた。
「確かにそうです。とりあえず、グループの知名度を上げるためには、個人の知名度もしっかり上げていかないとと私は思ってます。なので、ここから数ヶ月は、グループの仕事もこなしつつ、各々得意なジャンルでの仕事をしてもらいたいです!そこはマネージャーの腕の見せ所ですね…。ふふ。任せてください。皆さんに合った仕事をバンバン探してきますから!というわけで…既にいくつか皆さんのキャラ、得意な分野での仕事おさえてますので、後でデータ送りますから目を通しておいてくださいね」
ニコッと最後に満面の笑みを浮かべたところで。
「おぉ…フワフワ可愛い系かと思えばバリバリ仕事できるタイプね〜いいじゃん、ギャップあって」
有羽くんが感心しつつ、そう言い放ち、翔兎くんも景くんも、私の話に頷いてくれてるし、個人活動にも重点を置いていくことに対して異論はなさそうだ。
とすると…当面は…。
チラリと私はとある人物に視線を移す。
「心雨くん、実は明日早速心雨くん向きの仕事が1つあるの。私も勉強のため、同行させてね?」
そう、なぜか私のことを最初から目の敵にしている彼…夏木心雨くんからの信頼を得ることが最重要事項。
未だに嫌そうな様子の彼の視線を気に留めず、私は終始笑顔を浮かべていたのだった。