すると。

ガラッ。

「あ、景くん!ごめんね〜。ホームルームが長くなったから遅れちゃったー」

元気よく教室内に入ってきた人物に私は視線を奪われる。

現在、弟にしたいアイドル3位。
フワフワの金髪と白い肌。目の色は綺麗なブルーで、確か母親がフランス人とのこと。
可愛い見た目で人々を魅了する彼はSAISONの夏担当、夏木心雨くん。高校1年生。今年から花ヶ崎学園アイドル科に入学したばかりだ。

キャー、本物の心雨くん…か、可愛すぎるんだけど…!!


そう叫びたい気持ちをグッと堪える私。


「心雨…1年生だし、色々忙しいのはわかるけど時間は守るように口を酸っぱくしていつも言ってるだろ」


「えー?だってしょうがないじゃん。先生の説明が長いんだもん。それに、遅刻は僕だけじゃないみたいだしー?」


景くんがそう注意するも、あまり悪びれた様子のない心雨くんは不満そうに言い返していた。