(私に聖魔力を授けた神様! いるのならカイルを救って!)
手で包み込むように蓋を開け、ゆっくりと自分の体に魔力を取り込んでいく。カイルに魔力を流された時とはまったく違う熱い魔力が、私の体をビクリと震わせた。
(なにこれ……すごい!)
まるで全身が心臓になってしまったみたいだ。ドクドクと激しく鼓動し、急激に増えた魔力がまるでマグマのように体中を暴れまわっている。
「う……うう」
「カイル、もう少し、だから……まって、て……」
(苦しい……! でもあと少し。あと少しで魔力を流せる……!)
必死に体の奥から湧き出てくる魔力を受け止めていると、少しずつ流れが穏やかになってきた。私はそれをゆっくりと手のひらに集めていき、そして一気にカイルの体に流していった。
「うあ……っ!」
私の魔力が熱いのだろう。カイルは身をよじらせながら苦しそうに叫んでいる。でもこれしか方法はない。私はつらそうな彼を抑え込むように、魔力を流していく。