「青ですね。では他の者でも試してみましょうか。ブルーノ! アメリ!」
外で控えていた二人の魔力の色は緑と白。申告通りの色が光り、エリックは苦々しい顔でうつむいている。
「ほら、本物でしょう? 細工などするわけがない。エリックといったかな? 君が間違っていたようだね?」
クスクスと笑うジャレドの言葉にも、エリックは何も答えない。ただギリッと歯を食いしばる音だけが、部屋に響いた。そんな黙り込む彼の横を通り、師匠はアンジェラ王女に検査板をスッと差し出した。
「さあ、アンジェラ王女。この検査板に手を置いて証明してください。あなたもサクラと同じ聖女だというのなら、先ほどのようにこの部屋が虹色の光で満たされるでしょう」
「――っ!」
師匠はそう言うと、彼女を追い詰めるように一歩前に出た。
「わ……わたくしは……」
王女の顔は青ざめ、何も言えずに黙っている。エリックも同じだ。屈辱にまみれた顔でジャレドを睨み、拳を握りしめていた。