「こーゆーのって写真を見て描いちゃダメなの?」
「ダメ、ダメ!写真を超える絵を描く事こそ水彩画の真骨頂というものだよ!写真からじゃ空気や水の冷たさとか、太陽の暖かさとか、木々の揺れる音とかが分からないだろ?やっぱり、実際に現場に行ってそういう色々なものを感じ取る事が水彩画では大切なんだよ!」
「ふーん………そんなものなのかな………」
「そうそう!写真を見て描くなんてのは邪道だね!」
ホントは、結構写真を見て描いたりもするけれど、そんな事美咲ちゃんには言えない。
「わかった!それじゃあわたしも、外へ出て描く!」
「ホントに?」
「うん、だって先生がそう言うなら間違いないよね?」
ちょっとだけ、心が痛かった。
その日の夜、僕は近くの画材屋で美咲ちゃんの為の水彩画の道具一式を買い揃えた。
「あ、領収書貰えますか?『上様』で………」
これ、美穂さんに言ったら貰えるかな?
そこから、僕の『家庭教師のついでに美咲ちゃんの不登校を直す大作戦』が始まった。
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「ダメ、ダメ!写真を超える絵を描く事こそ水彩画の真骨頂というものだよ!写真からじゃ空気や水の冷たさとか、太陽の暖かさとか、木々の揺れる音とかが分からないだろ?やっぱり、実際に現場に行ってそういう色々なものを感じ取る事が水彩画では大切なんだよ!」
「ふーん………そんなものなのかな………」
「そうそう!写真を見て描くなんてのは邪道だね!」
ホントは、結構写真を見て描いたりもするけれど、そんな事美咲ちゃんには言えない。
「わかった!それじゃあわたしも、外へ出て描く!」
「ホントに?」
「うん、だって先生がそう言うなら間違いないよね?」
ちょっとだけ、心が痛かった。
その日の夜、僕は近くの画材屋で美咲ちゃんの為の水彩画の道具一式を買い揃えた。
「あ、領収書貰えますか?『上様』で………」
これ、美穂さんに言ったら貰えるかな?
そこから、僕の『家庭教師のついでに美咲ちゃんの不登校を直す大作戦』が始まった。
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